今日のフレーズ
He keeps a stiff upper lip.
(彼は何があっても平然としている。)
(彼は何事にも動じない。)
やり取りイメージ
------ My grandfather ------
------(おじいちゃん)------
A : My grandfather is very strict.
(おじんちゃん、とても厳格な人なんだ。)
B : Does that mean he never shows his emotions?
(つまり、感情を表に出さないってこと?)
A : Yes, he keeps a stiff upper lip.
(そうだね、いつも平然としているよ。)
〜 Tea Break 〜
イギリス人の特徴と言えばなんでしょうか?
- イギリス紳士・淑女
- 控え目で物静か
- 島国根性
- 礼儀正しい
- 皮肉なジョークが好き などなど
色々なイメージがありますよね。
今日はそこにもう一つのイメージを付け加えたいと思います。
それは、「(逆境に直面したとしても)毅然とした態度で、感情を表に出さない」ということを伝統的に良しとしている点です。
そして、まさに今日のフレーズはそんなイギリス人の特徴を言い表したイギリス英語特有表現です。
「He keeps a stiff upper lip.」
(彼は何があっても平然としている。)
(彼は何事にも動じない。)
「keep a stiff upper lip」: 物事に動じない、平静を保つ、平然としている、くじけない、(窮地でも)勇敢にがんばる
「keep a stiff upper lip」を直訳すると、「上唇を固くした状態を保つ」=「口を引き締めた状態を保つ」になり、感情によって唇が動くことなく、毅然とした表情を維持している様子がイメージできるのではないでしょうか。
英英辞典でも「keep a stiff upper lip」の意味を調べてみましょう。
Someone who has a stiff upper lip does not show their feelings when they are upset:
He was taught to keep a stiff upper lip, whatever happens.
参照: Cambridge Dictionary
イギリス人にも「keep a stiff upper lip」の意味を確認したところ、
=Not show your emotions even when you are struggling
(辛かったり、もがいているときでも、その感情を表に出さないこと)
=People talk about British people having a stiff upper lip but Japanese people do as well
(イギリス人は「stiff upper lip」だと言われているが、日本人もそうだと思う。)
=Before it is famous phrase to describe British people / much less the case now
(以前はイギリス人を表すフレーズだったが、今はそこまででもない。)
とのこと。
つまり、「(逆境のような状況であっても)感情を表に出さず、平然としている、動じない様子」を指すのですね。
イギリス人の友人がこのフレーズを聞いて思い出すのは、ダイアナ元妃の葬儀の様子だそうです。
ダイアナ元妃の棺の後ろを子供だったウイリアム王子とハリー王子が歩いているとき、彼らはずっと「keep a stiff upper lip」だったんです。
※「When they are walking behind her coffin, they kept a stiff upper lip the whole time.」
その光景が多くのイギリス人に「keep a stiff upper lip」を想起させていたんだとか。
なお、2017年にBBCのインタビューで、ウイリアム王子は、「keep a siff upper lip」は、メンタルヘルスに悪影響があると言っています。
なので、彼は自分の子供たちには、自分たちの感情を表現できるようにしたいとも語っているのです。
「keep a stiff upper lip」は、その瞬間は感情をコントロールできたようでいいのかもしれませんが、長期的に見ると健康に良くないのかもしれません。
イギリス王室では、伝統的に常に「keep a stiff upper lip」であることが求められているようですが、今後変わってくるかもしれませんね。
今日のフレーズは、イギリス人曰く、「そんなに使われないけど、Very Good English」だそうです。
イギリス人の伝統的な特徴を言い表した、イギリス英語特有の「Very Good English.」なので、イギリス人を連想する際に、思い出してくださいね。
ではまた明日のフレーズでお会いしましょう!
追伸:冒頭の写真は、ロンドン市内にあるイギリス王室の建物「Buckingham Palace」(バッキンガム宮殿)です。衛兵交替式でも有名な観光スポットになっています。